発光体

穏やかなそれ

あなたがいうならそうなんじゃないの


微睡みを数えて それは無意味の象徴
滑り落ちたそれら
拾い集めたら意味をなすだろうか

水玉の集合体 ぜんぶ潰れてしまえばいいのに
そしたらきっとひとりになれる

群れかたまったそれら 
せんぶ結び目をほどいてしまいたい

鏡の向こうは不快の国 
割ってしまえば救われるだろうか
自分の姿も見えなくなった

認めないで認めているのは双頭たち
不快の国の住民 こっちをみて笑わないでくれ
切り分けてしまいたいよ

泣いてる赤に怒る白
首をはねるのはどちらかな

嗤う博士と踊るネズミ
「きみはほんとはトランプが、嫌いなんじゃないのかい?」

M

 

隣の庭はとてもきれい 踏み荒らしてしまいたい
恵まれているのがわからないの
荒れ果てたそれをみたらきっとわかるよ
 

ことばは呪い 彼女は呟いて縫い付けた

喋れない口に呆れた

ことばは呪い 汚い文字を紙に書きつけた

汚い字に呆れた指は折れた

 

しゃぼん玉に吹き込んだ白

割れるところが見たかっただけなのに

罪の味はもう癒してはくれない

戻しても戻してもかえってこないね 

 

でも僕はそんな顔は見たくなかったよ
 

 

パズル

 

当てのないジグソーパズルなんてどうかしてると言った

それはそれで楽しいじゃないのと答えた

それを聞いてわらって

そんなのはからだに良くないと言った

しかし思想ともっというなら煙草の方がからだに悪いと思った

 

際限なく増えていくピースをかき集めて

途方もなく大きくなっていく枠を見つめて

一体どうしてこんなことをやっているのかわからなくなるまでわたしは、

念慮

 

皆のを開いてみたい 混濁した流れを整えてみたい

誰だってそんなこと出来ない

目に見えたらどれだけ楽だったんだろう

 

何に蝕まれていくんだろうか

きれいなもので汚れたい 見えないものは怖いよ

綻びた思考  花開くのであればどれだけ良かったかな

 

表紙を撫でるあのこ

なりたいというのはきっと呪いだね

桜貝が砕けて白ゆりが折れる

汚れた色がきっと似合うよ

 

胴に花を詰めてあげるよ 眼窩には宝石を

頭蓋には何も要らないね

だって今だってそうだろう 浅はかな僕たち

 

思考の残骸はまとめて捨てた

誰も求めてないよ そんなもの

君はやさしく笑うからとても嫌いだ

歪んだ顔が見てみたいよ

 

 

深い青に沈んだ四角の群れ 手を繋いで歩いた

歩きたばこ ひかる魚の目

手を少し強く僕は握る

みえない星 信号機が瞬く

 

浴室が黒に沈む

何も見えない 魚になった

歪んだ像 割れて溶けて流れた

 

四角にならぶ虫

与えられた意味に従ってうごめく 

食べていくわたしたち 神にでもなったつもり

 

空になったうつわ 大事に抱えている

つもった殻 粉になった