発光体

穏やかなそれ

 

水彩画を描いているのよと笑った彼女

夏は息ができなくなる きみがくれた呪い

本当に描きたかったのは油絵

淡く滲ませるよりも重ねたかった

 

嘘で包まれたそれら 何を与えてくれるの

空っぽをどうか満たして そこに真実がありますように

間違っていたって構わない

 

白さに耐えられない 肺を鼓膜を汚してください

みんな殺してしまおう 色を与えて世界に

この目が2つだけで良かったなんて

焼き増しされたそれ 憧れの希釈

 

貝の吐息 虚像の楼閣 母の腕でみる夢

三つ目が笑っている

キドナップカー 愛し方を間違えた 手を握りたかっただけなのに

特注品のワンピースが似合っている 君にしか着られない

死体遺棄には向かない日