発光体

穏やかなそれ

夕方と

 

曖昧な色は気持ち悪い 笑うみたいに染まっていく

絞める首は遠い夕方 女たちが駆けてひしゃげる将来像

洗っても落ちない指先の人工のかおり

泡と混ざって気持ちが悪い

 

階段下の空っぽの墓地

ここに入るのは一体いつ 指先で触れてみたい

 

産みおとした空白 こぼれた無色のそれ 不出来な証

どうかやさしく撫でてください

 

隙間に落ちてしまった 音は溶けて消える

なあにもなくなってしまったね